私立・女子校
学科:秀英特進科、普通科、総合ビジネス科
Classi利用歴:2018年度より
宇都宮文星女子高校は、女子商業高校を前身とし、2019年に創立90周年を迎えました。2018年度からClassiを全校導入し、校内グループ・ポートフォリオを中心に活用。2019年度からChromebookの一人1台導入を秀英特進科で実施。全校導入に向けて準備を進めております。
Classi 連携サービスの「探究ナビ」と英語4技能育成サービス「EnglishCentral」をご導入いただいております。
今回は、学習指導部副部長/秀英特進科副科長の撹上先生と学習指導部/ICT推進部部長の篠原先生に探究学習サービス「探究ナビ」の活用についてお話を伺いました。
写真左:学習指導部/ICT推進部 部長 篠原先生
写真右:学習指導部 副部長/秀英特進科 副科長 撹上先生
撹上先生:
「探究学習への取り組みは、2019年度からスタートしました。当初は探究学習に対する具体的な活動イメージがなく、他校の取り組みを参考にしようと情報収集から始めました。その中でも、あるSGH校の発表会がとても印象的でした。生徒を発表会に連れていったのですが、人前で堂々と話す同世代の姿に刺激を受けた様子でした」
撹上先生:
「2019年度から、当校では1人1台のノートPC環境が整ったこともあり、このICT環境をいかしながら、生徒には『自分の言葉で発信する力』と、『興味を持ったことに対して主体的に調べ深める力』を身につけてほしいと考えています。また、生徒が興味・関心に沿った課題に対して、主体的にPDCAサイクルを回せる道筋を示すことを探究学習で実現したいと思いました」
撹上先生:
「『自分の言葉で発信する力』、『興味を持った事柄を調べ深める力』を育成するためには、探究スキルのインプットが大事だと考えています。探究ナビは、課題設定をするにしてもアプローチの仕方と範例が豊富で、初めて探究学習を進める私も勉強しながら指導ができると感じました」
篠原先生:
「高校1年生の全3コースに導入しています。コースごとに取り組み内容は違うので、詳細は各担任に任せていますが、大枠では探究ナビの流れに沿って探究活動に取り組んでいます。1週間に原則1コマ、通年35コマで年間カリキュラムを組んでいます」
撹上先生:
「探究学習は年に複数回まわしてこそ、深められる部分があると思っています。年に4回探究活動を実施、Classiで振り返りを実施する流れで年間カリキュラムを組んでいます」
「前半は4〜5人のグループでテーマ設定からまとめ・発表までを実施。後半は個人の活動になり、テーマ設定も段々と自由度をあげています。生徒の答えを誘導しないためにも、あえて課題設定のテーマを狭めすぎないという点を意識しています」
毎回の探究活動の中で、指導に注力するプロセスを決めています。例えば、3回目の探究活動では「課題設定」に注力して、課題設定の考え方や方法を探究ナビを使って授業の冒頭に説明します。「自己SWOT分析」や「地域マッピング」など複数の課題設定のためのアプローチ方法が記載されてあるのですが、今回は「質問・疑問マトリクス」を活用しました。
▼質問・疑問マトリクス
撹上先生:
「1年間で課題設定を4回繰り返すため、小さな興味を数多く調べ、重ねていき、『重なった部分』を大切にしてほしいと生徒には伝えています。1回できれいな課題設定ができる必要はなく、小さな興味のタネを生徒自身が育てる観点が大切だと考えています」
撹上先生:
「1つ1つの活動を線にして「次の探究活動」に繋げるために、3つの観点で振り返りを実施しています」
(1)は生徒主導でClassiポートフォリオを活用し、(2)と(3)は教員主導でClassi振り返りアンケートを配信しています。
撹上先生:
「1つ目の観点については、各探究プロセスの中で気づいた『学び』や『成果物』を、生徒が主体的にClassiポートフォリオに記載しています」
撹上先生:
「探究活動の発表の際は、必ず生徒間でフィードバックをおこなっています。生徒一人ひとりの発表内容に対するフィードバックアンケートを作成し、生徒が発表した後に一斉配信をして、入力の時間を取ります。生徒はクラスメイトの発表内容に対しての『よかった点』『もっとよくなる点』についてアンケートに回答します。発表会後、アンケート結果をまとめ、各々にフィードバックを共有しています」
Classi アンケート機能を使って、発表者へフィードバックを入力
発表したグループに寄せられたフィードバック
撹上先生:
「全4回の探究活動を進める中で、各探究活動が終わるたびに活動全体の振り返りを実施しています。探究ナビに付属されているPLカードを使って、各プロセスを振り返ります」
▼Classi振り返りアンケートに探究ナビ PLカード*を活用
※PLカードとは=探究をおこなううえでのコツを36のパターンにまとめたカードで、活動を通して生徒がどんなことができたのかを振り返る際にお役立ていただけます。
撹上先生:
「サイクル全体の振り返りをしっかりとすることによって、次の探究サイクルが円滑に回るようになります。勉強も仕事もスポーツも同じですが、人間は経験することで、無意識的に学習します。さらに学習を高めるには、意識的な学習が必要です。そこで、振り返りが重要になります。また、振り返りをすることで、『次はもっとこういう風にしたい』という意欲がでてきます。こうして次の探究活動に繋がり活動がスムーズに接続します」
撹上先生:
「毎朝ショートスピーチを生徒に取り組ませています。ここでは、気になったニュースや出来事を生徒が自分の言葉でクラスメイトに伝えます。まずは、人に伝わる話し方を日頃から意識できるようにするためです。朝のショートスピーチも、自分の興味関心の記録を残すために、Classiの学習記録にコメントで残しています。こういった日々の習慣が、探究活動の発表にも活きており回数を重ねるごとに、堂々と発表する生徒が増えてきました」
撹上先生:
「7月から11月の間で偏差値が10上がった生徒がいます。要因としては、ノートPCの導入と探究学習を通して、PDCAサイクルを回せる習慣が身についたからではないかと考えています。今後は、この形になった探究的な活動に、学年横断型で取り組みたいです」
篠原先生:
「学年横断型というのは、下級生と上級生でグループを組み、上級生が下級生のためにノートPCの使い方や発表の仕方も含めて教えてあげられるような仕組み、そういったものができるといいと思っています。1年次では、地域社会に密着しておこないましたので、2年次は国際社会、そして3年次は進路探究と3年間を通した探究活動を実践していく予定です。その上で、Classi校外グループを使って、フィールドワークを通し、生徒と外部の接点も増やしていきたいと思います」
※2020年1月取材
学校情報
宇都宮文星女子高等学校
(栃木県)
学科 | 秀英特進科、普通科、総合ビジネス科 |
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規模 | 1学年270人 |
URL | http://www.bunsei-gh.ed.jp/ |