公立・共学
学科:普通科
Classi利用歴:2018年度より
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岩手県立花巻北高等学校は、自己調整を図りながら、粘り強く学びを進めていける生徒を育成するため、ICTを活用した「学び方改革」に取り組んでいます。
生徒たちは入学時に、卒業時の自分をイメージしながら高校生活3年間のロードマップを作成します。このロードマップを日々の学習計画に落とし込む際に利用されるのがClassiです。生徒たちは先生方の支援や助言を受けながら、計画と実績の比較を毎日おこなうことで、1日の生活をデザインする力を身に付けます。「自らの生活をデザインする行為が、将来の自分をデザインする力になる」という信念のもと、同校の「学び方改革」を推進する川村校長先生に詳しくお話を伺いました。
AIとの共存が求められる時代、生徒たちに必要とされるのは、答えのない課題に粘り強く向き合う力、周囲の人と励まし合い、お互いの潜在能力を引き出すような人間力です。そうした力は「先生に勉強させられる学校」では身に付かないと考え、「生徒と教師の信頼関係を基盤に生徒が自己を管理する学校」への転換を決意しました。
校長 川村 俊彦 先生
ICTツールの活用で「自らをデザインする力」を持った生徒を育みたい
岩手県立花巻北高等学校は、創立90周年を迎えた2021年度、「100年生きる君たちが花高100年の学びを創る」をテーマに「学び方改革」を進めています。社会変革のスピードが加速する現代においては、生涯にわたって学び続ける力と、答えのない課題に対して立ち向かう人間力が求められます。「学び方改革」は、生徒たちにこれらの力を育むため、日々の学習を通じて「人生をデザインする力」を身に付けさせることを目的としています。
新入生たちは、卒業時の自分をイメージした高校生活3年間のロードマップを作成し、次に各教科のシラバスで希望進路を念頭に「何を」「どこまで」学習するのか3つのコースから選択。生徒自らが学習計画をたてていきます。その学習計画を毎日の学習に落とし込むのがClassiです。生徒たちは毎朝、Classi「学習記録」に1日の学習計画を入力し、1日の終わりには実績を入力します。計画と実績の比較を日々おこなうことで、1日の生活をデザインする力と、その先にある将来の自分をデザインする力を身に付けていきます。
目標達成に向けた日々の取り組みを生徒と共有し、必要な支援や助言を行う
Classi「学習記録」の内容は担任の先生がチェックし、コメントの入力や直接の声がけをおこない指導します。いつ、何を、どのように勉強するかは生徒に委ねられており、計画通りにうまく学習が進まない生徒には、先生が個別に相談に乗り、必要な支援をおこないます。これまでとは異なる発想の指導のため、取り組みの開始当初には「毎日Classiに入力しない生徒がいる。厳しく指導するべきだろうか」という悩みの声が先生方から上がりました。これに対し川村校長先生は、「この取り組みは生徒が自ら、1日の生活をデザインする力を育むためのもの。自発的に取り組めるようになるまで、生徒の変化を待とう」と先生方に訴え、意識の統一を図りました。
そして、この考え方は生徒たちに対しても「Classi宣言」という文章の形で共有されました。この文章は取り組みを始めてから数か月後、1人の若い先生によって作成されたものです。生徒の心に訴えかける言葉に感動した川村校長先生は、これを学校全体で共有することにしました。「先生が生徒を一括して管理する学校」から、「生徒と先生の信頼関係を基盤に生徒が自己を管理する学校」への転換の中で、先生方の意識改革も進んでいます。
「学び方改革」におけるICTの役割について、川村校長先生はこう話します。「多様な生徒が集う学校という場における“個に応じた学び”とは、生徒が自分の目標と計画を立て、自己調整を図りながら粘り強く進めていく学びだと私は考えます。そうした学び を支援するための一つのツールがICTです。様々なツールを活用することは、生徒の学習環境をより充実させる上で重要です。しかし、学校における“個に応じた学び”の実現には、 ICTツール以前に、生徒の心に火をつける教師の存在が何よりも大切であることを忘れてはいけません」。
岩手県立花巻北高等学校の「学び方改革」はまだ始まったばかり。同校はこれからも一人ひとりの生徒に向き合い、伴走しながら、未来に向けて自走できる生徒を育んでいきます。
※2021年9月取材
学校情報
岩手県立花巻北高等学校
(岩手県)
学科 | 普通科 |
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規模 | 高校生全学年 705人[2021年11月現在] |
URL | http://www2.iwate-ed.jp/hkn-h/ |
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