「入試の突破」ではなく、生徒の「在りたい姿」を描く、ポートフォリオ活用法

北海道旭川東高等学校 松井恵一先生

北海道旭川東高等学校 (北海道)

公立・共学
学科:普通科
Classi利用歴:2018年度より

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「入試の突破」ではなく、生徒の「在りたい姿」を描くために
生徒の個性や強みの発見をサポートする、ポートフォリオ活用法

 

北海道旭川東高等学校は、Classiポートフォリオに記録された内容を進路指導に活かす取り組みを行っています。

ポートフォリオへの記録を始めた当初は、学校行事の振り返りを中心に生徒に記録させていましたが、記録する内容を生徒の自主性に任せたところ、普段の学校生活からは見えてこない生徒一人ひとりの想いや個性がポートフォリオに色濃く反映されるようになりました。その内容に生徒の特徴や個性を発見した松井恵一先生は、生徒一人ひとりが自分自身の強みや在りたい姿を発見するサポートをするため、Classiポートフォリオの内容を進路指導面談時の問いかけに利用しています。詳しい活用方法や効果についてうかがいました。

北海道旭川東高等学校の Classiポートフォリオ活用をした進路指導

  • 振り返りの内容を生徒自身が決めてポートフォリオに記録
  • 先生方は記録内容から生徒の想いや個性を発見する
  • 記録内容に基づき生徒の可能性を引き出す問いかけ・面談を行う
  • 新たな気づきを得て生徒は社会で活躍する自己をイメージできる

ポートフォリオ活用をした進路指導

Classiポートフォリオによって、私たち教師が見落としていたかもしれない、生徒の特徴や個性を発見することができました。

生徒たちがClassiに記録してくれた内容は「ポートフォリオの本来あるべき姿」を考えるきっかけになりました。記録内容は複数の先生方で共有できるので、生徒の可能性を別の視点から見ることもできます。生徒自身の気づきにうまく繋げることができれば、彼らが社会に出た時の「糧」にもなるのではないかと思います。

 

北海道旭川東高等学校 松井恵一先生
松井 恵一 先生

ポートフォリオの活用方法を教えてください

生徒自身の気づきを引き出す「問いかけ・声かけ」に活用

 

北海道旭川東高等学校は、Classiポートフォリオに学びの記録を蓄積する取り組みを始めて今年で3年目を迎えました。大学入試改革への対応を見据えて導入されたClassiでしたが、現在は大学入試に捉われない活用が行われています。

以下は、現2年生が記録したポートフォリオのタイトル一例です。指導を行った松井恵一先生によると、1年生の時には学校行事の振り返りを中心に記録させていたため、生徒たちの中に「ポートフォリオは大学入試のため」という義務感があるように感じられたそうです。その反省を活かし、ポートフォリオに記録するテーマをある程度生徒の自主性に任せたことで、生徒の個性や特徴が垣間見える、バラエティに富んだ振り返りが記録されるようになりました。

 

■ 生徒たちが自発的に記録したポートフォリオのタイトル例

他にもテレビドラマの感想や、メディア主催のイベントに参加した際の記録を残す生徒もいました。

  • 鼠と鳥の壮絶なる死闘(?)の記録

  • With/Afterコロナへ向かうみんなの教育プロジェクト

  • ヨーロッパの地政学的観点からみた歴史

  • 色や形が与える印象(と心理学)

  • 英語部ミニスピーチ大会

  • 子どもの障がいについて知ろう!

  • 弁護士の仕事を疑似体験!

 

 

先生方はその記録内容から生徒の新しい一面を発見し、普段の声かけや進路指導面談での問いかけに活かしています。ある生徒はポートフォリオに粘土細工の作品記録を残していましたが、「なぜ粘土細工に興味を持ったの?」「粘土細工で表現したい想いは何?」といった問いかけを行ったところ、生徒が本音を語り始め、進路指導面談の内容がとても深いものになったそうです。

 

 

松井先生:

「ポートフォリオによって、私にとってもその子にとっても、見落としてしまったかもしれない個人の特徴を発見することができました。これがきっかけとなり、次はその子自身の力で新しい発見を重ねてくれれば、有効な進路指導ができたことになるのではないかと思います」

 

Classi導入のメリットを教えてください

Classiは、生徒と先生の関係を “1対1” から “1対n” へと広げてくれる

 

この取り組みの背景には、従来の進路指導に対する反省があったと松井先生は語ります。

 

松井先生:

「以前の進路指導は、“入試の突破”に重きを置いていたため、生徒の想いや気づきを置き去りにしていた可能性を否定できません。以前、ある卒業生と話した時、大学での学びや将来に対してのモチベーションを失いかけていて、元気がなかったのです。卒業後も生徒たちが前を向いて歩いていけるよう、これからの進路指導では生徒の想いや気づきを尊重し、その延長線上にある自己の在りたい姿を描く手助けをしていきたいと考えました」

 

自分自身のこれまでや、今興味を持っていることを手掛かりに、社会で活躍する未来の自分をイメージする。この作業を「過去と未来を結ぶ」作業と名付け、この作業を手助けするのが先生からの効果的な「問いかけ」であると学校は考えています。この「問いかけ」のヒントを得るツールとして、Classiポートフォリオは有効なツールと松井先生は話してくれました。

 

松井先生:

「Classiのようなデジタルツールは、紙の媒体と違って、学年生徒280人分の記録内容を複数の人と共有することが容易にできます。生徒と先生の関係性が“1対1”ではなく“1対n”に広がりやすいので、生徒の特徴や個性、可能性を、いろんな先生が発見しやすくなるのではないかと思います」

 

 

理想の進路指導をめざす北海道旭川東高等学校の取り組みは始まったばかり。Classiはこれからも、同校の新たな取り組みを支援していきます。

 

本事例のもとになった講演動画も合わせてご覧ください。

 

 

 

※2020年11月取材

 

 

 

 

 

学校情報

北海道旭川東高等学校

(北海道)

学科 普通科
規模

全校生徒 798人

URL http://www.ah.hokkaido-c.ed.jp/

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