授業活用からコミュニケーションまで 目的に応じたICT活用で創る新しい教育の形

東北学院中学校・高等学校 (宮城県)

私立・中高一貫校・男子校
学科:普通科

  • 私立
  • タブレット
  • コミュニケーション

取り組みのポイント

  • ノートPCの一人1台環境で推進する校内教育改革
  • 導入1か月で生徒のICT活用率100%を実現した体制作り
  • 授業中のICT活用で小テストを効率的に実施

導入1か月で生徒活用率100%のスピード活用を実現

 

貴校がICT教育に踏み出した背景についてお聞かせください

岩上先生 : 

教育改革や学校間での競争が続いていく中で、どのように学校としての独自性を出していくか考える必要がありました。議論する中で、進学実績だけではなく先生が教える授業スタイルから生徒が学ぶ形に変えるなど、教育内容の見直しが必要だと感じました。そこで3年前から総合的な学習としてESD研究(持続可能な開発のための教育)を取り入れることにしました。この授業では従来の調べ学習だけで終わる形ではなく、レポート作成やプレゼンテーションなど思考力から表現力まで幅広い力を育成することを狙いとして進めてきました。その中で特に表現力の育成や教科指導の中での活用を見据えた際にICTの力が必要であると考え、一人1台のPC環境を整えました。

 

貴校のICT環境について教えてください

岩上先生 : 

環境面は4年計画で段階的に整えていこうと考えています。現在一人1台PC環境があるのは、中学1年生と高校1年生ですので、3年後には全ての学年が一人1台PC環境になる予定です。4年目は特別教室でもWifi環境を整えて、全ての教室でICTが使える環境を整える方針です。

 

新田先生 : 

本校ではChromebookを導入しました。

導入の理由としては、

  1. 探究活動での調べ学習やまとめる作業に適していること
  2. PCの起動スピードが速いので授業で使いやすいこと
  3. 将来の入試を考えた時にタイピングに適していること

が挙げられます。

 

また全ての教室には電子黒板機能付きのプロジェクターを設置しています。私の授業の場合、電子黒板に投影するためのPCとClassiに配信するためのPCの2台を用意して使い分けながら授業に臨んでいます。

 

貴校では導入後すぐに生徒達がClassiを使いこなしているのが印象的でした。どのような工夫をされたのですか?

新田先生 : 

教員側の活用については、ICT教育改革プロジェクトという組織を発足し、アクティブラーニング研修、Classi活用研修などをおこないました。研修時に心がけたのは、研修の様子を動画に残すことです。ICT化を進めることで、いつでもどこでも動画が見れる環境が作れますので、研修に参加できない教員にも見てもらうことを意識しました。

生徒の活用についても、Classiのマニュアル動画を放送部に作ってもらい、共有しました。生徒も教員もだいたいつまずく箇所は同じです。機能の使い方などをまとめた動画を作成したことで、どの先生でも生徒達に簡単に指導ができましたし、生徒達の理解も早かったです。ICTツールは紙で説明するより動画で見て実際に触ってみることで浸透するという感覚を持っています。

 

放送部が作成したClassi活用方法の動画

 

学年の連絡ツールとして活用されており、保護者の閲覧数も多いのが特徴ですね

小野先生 : 

学年主任の立場として、保護者への連絡・情報共有ツールとして使おうと考えていました。

 

現在、活用が広がっている要因としては、

  1. 最初のログインを丁寧に支援したこと

  2. 定期的に情報を流すことを心掛けたこと

    だと思います。

 

1点目のログインについては、最初のログインが無事にできているかを電話などをしながら丁寧に追いました。全員が最初のログインができて、情報が見れたという状態を作ることによって、保護者もClassiの活用イメージが湧き、使う習慣が生まれます。

また2点目の定期的な情報発信についてですが、学年通信、学級通信だけだと頻度が落ちてしまうので、図書室通信やほけんだよりなども送信して、定期的に情報が配信されている状態を目指しました。

今では教員側から投稿すると1時間ほどで「イイね」の数が100を超えるペースで反応されます。学校の情報を知りたいという保護者のニーズの高さを感じました。

 

校内グループでの保護者への情報発信

 

 

田中先生 : 

私は養護教諭として、ほけんだよりをClassi上で配信しています。中学生のご家庭も多いのでインフルエンザの情報や食生活の話など家庭でも見てほしい情報が多く、保護者の閲覧数も非常に多いです。今では紙で配らずClassi上での配信のみにして、ペーパーレス化にも挑戦しています。また今年の冬休みは、登校しない期間に生徒達への健康調査をClassiのアンケートで送り、集計することも試みました。学校を離れた時の健康状態やインフルエンザにかかる時期などがデータとして残りますので、来年以降の指導にも使えそうだなという手応えを感じています。

 

長期休み中の健康調査アンケート

授業中の小テストをWebテストで効率化

授業の中ではどのように活用されているのでしょうか?

新田先生 : 

授業の中でICTを活用する狙いは、時間を短縮・効率化していき、表現活動や議論する時間など新しい指導の時間を捻出することでした。ClassiについてはWebテストをメインで活用していますが、授業の冒頭におこなっている小テストを効率化することを目的にしています。今までは問題を紙で配付→解答→回収→採点・集計という形で時間も多く取られてしまいましたが、Webテストならばその場で配付から集計までできます。テスト終了時にクラスの平均点を発表すると生徒達は自分の解答や正答率をもう一度見返します。この過程こそが復習に繋がりますので、効果も高いと感じています。また私達教員側も生徒の理解度が見えることで授業の中で強弱をつけながら指導ができます。例えば、授業中に確認テストを行い、正答率が高く理解できている範囲はできるだけ省略して、理解度の低い問題にできるだけ時間をかけて解説するようになりました。Webテストを繰りかえすことでデータが残り、既習範囲で再度説明すべき問題かどうかの判断も出来るので、今後の指導にもいきてくると思っています。

 

授業中のWebテストの解答の様子

新田先生のWebテスト作成例

目的:授業冒頭に行う小テスト

前回の授業内容の復習を目的に10問程度の選択式や並び替えの小テストを実施。その場で集計し復習まで行う。

【作成方法】

 

  1. オリジナル問題をエクセルで管理

    • Classiの「Webテスト作成」からエクセルフォームをダウンロードし、そのフォームに合わせてオリジナル問題や問題集のテスト作成ツールを駆使して管理する
  2. Classi上に一括アップロード

    • 使いたい問題を一括でClassi上にアップロードし、日々の小テストに活用

 

【ポイント】

  1. 自動集計ができる問題に限定

    • 選択式や並び替えなど自動集計で効率的に活用できる問題を中心に作成。
  2. タイトルとタグ付けを丁寧に

    • 検索しやすいように、テストタイトルは小テストの回数と分野名、問題集の名前を入れるようにしています。また、テストの難易度や分野もできるだけ詳細に入力することで将来的に他の先生も使えるような形にしている。

 

新田先生のWebテストの作成画面

今後の展望についてお聞かせください

岩上先生 : 
2020年度の教育改革を見据えて、本校はグローバル人材の育成を掲げており、グローバル教育とICT教育を柱に学校改革を推進していこうと考えております。その中で一人1台のPC環境がある本校の特徴をより生かすことが必要です。教育改革で求められる表現力や思考力の育成を考えた時に、英語とICTをどう結び付けていくかなど教科ごとの具体的な活用を考えていくことが求められると考えています。

 

小野先生 : 
この世代は社会に出てからもICTツールの活用が求められると思いますが、最近はスマートフォンは使えるものの、PCが使えない生徒が増えているように思えます。今回ICT化を進める1つの目的でもあったPCスキルは、導入して半年ではありますが、確実に上達してきており、手応えを感じています。一方で中学1年生からPCを所持させるので、トラブルなども予想されます。ICTツールとの関わり方や使い方をこれからも継続的に議論していく必要があると思います。

 

左より:岩上副校長先生、小野先生(中学1年主任)、
新田先生(情報システム部長)、田中先生(養護教諭)

活動成果

導入1か月で生徒のICT活用率100%を実現

  • 活用マニュアル動画を作成し、教員も生徒もいつでも使える環境を整備
  • 業内からコミュニケーションツールまでClassiを活用し、教員・生徒・保護者全体で高い活用率を実現

今後に向けて

  • 一人1台のノートPC環境という特徴を生かして、東北学院高等学校ならではの活用の形を考えたい

学校情報

東北学院中学校・高等学校

(宮城県)

学科 普通科
規模

中学校:1年164人、2年147人、3年165人
高校:1年363人、2年368人、3年390人(2016年度)

進路状況

東北大13人、山形大学15人、
国公立大学85人合格(2016年度)